新卒就活で避けて通れないものが筆記試験です。エントリーシート(ES)や履歴書の作成・提出の後に、筆記試験・適性検査・面接等…いくつもの選考が待ち構えています。
ここでは、筆記試験について解説していきます。
筆記試験は事前にどのような種類の問題が出るのか対策を取ることができます。
文系の学生からはよく「数学問題が苦手…」という声が多くあがりますが、筆記試験はあらかじめ対策をしておくことでクリアできる内容ばかりです。
エントリーシート作成や面接対策に注力することも大切ですが、企業によっては第一関門として筆記試験で合否の判断をする場合もあります。後からやっておけばよかった…と後悔しないように、筆記試験の傾向と対策を理解して準備をはじめましょう。
【23新卒】筆記試験の内容と対策
1. 筆記試験の傾向と対策
内容としては2つあります。1つ目は一般常識、時事問題、語学といった学力や知識を試すもの、2つ目に国語や算数の基礎能力や性格適性を調べる「適性検査」があります。適性検査のほとんどは大学受験のように難しい内容ではありません。しかしながら毎年この試験で苦戦する学生が多くいます。それは問題数が多いのに対し、制限時間が短く、慣れていないと途中までしか解くことが出来ずに終わってしまうからです。
また、単純ではあるものの、解き方をすっかり忘れてしまっている計算問題などがあるため、余分な時間を費やしてしまいます。じっくり時間をかければ解ける問題であるものの、限られた時間内でポイントをしっかり押さえ、的確に解く姿勢が求められます。適性検査は繰り返して問題をこなせば、確実に結果がついてくるものなので事前に対策することが大切です。
一般常識や時事問題の対策としては、普段から新聞などを読む習慣をつけておく、ニュースを見て情報収集することをお勧めします。
2. 適性検査の主流は「SPI」
適性検査は専門会社が作成したテストを実施する企業が多いですが、様々な適性検査がある中で最も主流なのがSPIです。
SPIは、言語問題(国語)と非言語問題(数学・論理)からなる「能力適性検査」、性格の特性を測る「性格適性検査」の2つで構成されています。
■(能力適性検査)言語問題
基礎的な語彙力、文章の読解力が求められます。ジャンルは「二語の関係」「語句用法」「長文読解」等から出題されます。
■(能力適性検査)非言語問題
基礎的な計算能力、論理的思考が求められます。「比率」「図表読み取り」「確率」「推論」等のジャンルから出題されます。言語も非言語問題も、中学から高校1年レベルの問題がほとんどなので特別難しい内容ではないのですが、問題文独特の言い回しで戸惑うことがあります。
■性格適性検査
性格の傾向を測るものですが、全問回答しないと計測が出来ない場合がある為、全問回答するようにしましょう。
3. パソコンを使ったWebテストが主流
適性検査の実施方法はパソコンを使ったWebテストが主流です。
Webテストの受検は、テストセンターと呼ばれる会場で受けるもの、自宅や大学にあるパソコンで受けるものなど、企業ごとにシチュエーションが異なります。近年では自宅受検型のWebテストは、替え玉受検などの不正が起こる可能性もあるため、不正防止の為に性格適性検査のみが自宅などでも回答が可能とされ、学力を測る機会は別に設けている企業もあります。
対策ポイント:Webテストの種類を把握しておく
様々な種類のWebテストが実施されています。SPIの場合、Webテスト版は「WEBテスティング」「インハウスCBT」「テストセンター」という3方式があります。
SPIの他にもCAB、GABといったテストもあります。CABのWebテスト版は「Web-CAB」「C-CAB」、GABのWebテスト版は「玉手箱」「C-GAB」があります。
どのテストもペーパーテストをアレンジした出題内容が多いですが、中にはWebテスト独自の問題があったり、実施時間がペーパーより短かったり等、Webテスト用の対策が必要になります。Webテストはペーパーとは違い時間が短縮されている分、解答する速さが求められます。
対策ポイント:Webテストでのパソコン操作に慣れておく
Webテストを実施するタイミングは、企業にエントリーをする時が多いです。エントリー後に、企業からメールでWebテストの受検を求められたり、テストセンターのスコア提出が求められたりすることがあります。Webテストは企業側からすると、エントリーしてきた大量の学生の選別に便利なので、初期選考のツールとして重要なものになっています。そのため、多くの企業に応募する分、Webテストの受検機会も増えることになります。あらかじめWebテストを受験する前に、パソコンのネット回線等の環境を整えておくことや、パソコン操作に慣れておき、テストの画面の見方や回答方法を事前に知っておくことが重要です。普段からあまりパソコンを使っていないと、操作に戸惑い、残念な結果に終わることもありますので、パソコンの操作方法に慣れておきましょう。
受検期間中はアクセスが集中してネットワークが不安定になるリスクもありますので、早めに受検を済ませておくことをお勧めします。
対策ポイント:自宅、外部会場で受検する際の注意点
自宅、外部どちらで受検する場合も、Webテスト前に設定方法の説明を確認した上で落ち着いて取り組みましょう。パソコンのモニターを見ながら問題を解くことは、慣れていないと厄介です。例えば、長文読解問題は文章を目で追いにくかったり、文章をアンダーラインで引くこともできません。当日はメモ帳、筆記用具、時計などを用意して臨みましょう。自宅受検の場合は電卓を使えますが、パソコンやスマホの電卓アプリではなく、使い勝手の良い電卓を用意することをお勧めします。ちなみに、外部会場で受検する場合は、他の受検者が自分と同じ問題を解いているとは限りません。問題数も異なることがあり早く終わる人もいるので、周りの動きに惑わされず、時間を意識しながら自分のペースで解くことが重要です。
4. 試験別の対策ポイント
ここでは試験を攻略する上で重要となる対策ポイントをお伝えします。どの試験も繰り返し練習を行い、素早い判断力を身につけることが成功の鍵となります。
対策ポイント:言語問題/非言語問題
言語問題に関しては、日頃から対策問題集で漢字、熟語、語句の意味等を勉強しておきましょう。また、文章整序や長文問題も必ず出題される為、文章を速く読む、要旨をすぐにとらえるといった読解力を養う練習も必要です。非言語問題は、とにかく解く速さが求められます。算数が苦手な人はまず簡単な問題を中心に何度も繰り返し問題を解くようにしましょう。単純な四則演算、分数の計算、割合を求めるパーセンテージ問題から、集合、論理など難易度の高い問題もありますが、数をこなしていくと、最初は解けなかった問題もコツをつかんで次第に解けるようになります。解答に至るまでの計算方法をすばやく判断できるようにしましょう。
問題集は最新の筆記試験の事情に沿ったものを使いましょう。特にWebテストや一般常識の場合、古い情報に基づいた問題集では対応しきれない場合があります。先輩から譲り受けた古い本を使っている学生もいるかと思いますが、選考で良い結果を出すためにも最新版の問題集を活用してください。
対策ポイント:一般常識、時事問題対策
新聞社や出版社等のマスコミ関連をはじめ、オリジナルの一般常識テストを実施する企業も多くあります。基礎的な知識が問われるものから、語学力、業界特有の内容を回答として求められることもあります。日頃から新聞を読んだり、インターネットなどでニュースを読んだりして政治、経済、世界情勢などのトレンドをチェックしておくことが重要です。また、志望業界の動向については意識して情報を収集するように努めましょう。このような一般常識や時事問題は筆記試験や小論文で求められるだけではなく、グループディスカッションや面接で基礎的な知識があるかどうかを把握する為に聞かれるケースもあります。情報を把握しているとそのようなシーンでも意図を汲み、説得力のある発言をすることができます。
対策ポイント:性格適性検査
企業がエントリー時の絞り込み対策としても実施しているので慣れておきましょう。事前に各種情報サイトで適性・適職診断などを受けておきましょう。検査の内容は「行動的側面」「情緒的側面」「意欲的側面」「職務適応性」「組織適応性」「社会関係的側面」などから測定されます。性格適性では全体のバランスの良さが見られます。自分の性格や行動の極端な部分や足りない所を知り、見直す努力をしてからまた何度か受けてみることをお勧めします。単純に回答できるからといって絶対に雑な回答をしないように注意してください。「志望する企業がどういう人材を求めているか」を思い描きながら受検するとよいでしょう。
まとめ
筆記試験対策を後回しにしてしまう就活生もいるかもしれませんが、筆記試験で篩にかけられて面接まで進めないという事態になると非常にもったいないです。自己分析や企業研究、面接対策など他にもやることは多いですが、筆記試験対策も欠かさないようにしましょう。
筆記試験は初めのうちは難しく感じるかもしれませんが、ある程度出題のパターンは決まってる為、過去問や問題集を繰り返し解いて回答プロセスを理解して本番に備えましょう。
また、同じ種類のテストセンターを使用している企業の場合、試験結果を使いまわすこともできます。当然ながら異なる種類のテストセンターや有効期限の切れた試験結果は使いまわすことができない為注意が必要ですが、テストセンターは基本的に何度でも受検可能です。何回か受検して、最も出来がいいと判断できた試験結果を使いまわすことで効率よく就活を行うことができるでしょう。
筆記試験は初めのうちは難しく感じるかもしれませんが、ある程度出題のパターンは決まってる為、過去問や問題集を繰り返し解いて回答プロセスを理解して本番に備えましょう。
また、同じ種類のテストセンターを使用している企業の場合、試験結果を使いまわすこともできます。当然ながら異なる種類のテストセンターや有効期限の切れた試験結果は使いまわすことができない為注意が必要ですが、テストセンターは基本的に何度でも受検可能です。何回か受検して、最も出来がいいと判断できた試験結果を使いまわすことで効率よく就活を行うことができるでしょう。